飛行機初体験

  8月のある日、朝4時起床。人もネコも眠い。赤ちゃん連れて旅行すると子どもの着替えやらおむつやらミルクやは乳瓶など荷物が多くなると聞くが、ネコ連れも似たようなものである。首都高速は渋滞もなく快調。空港の駐車場についてから人間が朝ごはんを食べにビッグバードに出かけている問、チョコは助手席にすわってリラックスしていた。

 さて搭乗手続きである。ネコはカウンターで北海道までの片道料金5000円を払い、「飛行中の気圧や温度の変化によって死亡した場合航空会社の責任は問いません。」という誓約書にサインして預かってもらう。ちょっと不安そうにしている。ちなみにカゴを含め10kgまでは同じ値段である。5・5kgの大柄なネコであるがこれ以上太らないよう言い聞かせる。

 台風が近づいていて三沢行さや青森行きは天候調査の表示が出ていたが、幸いあまり揺れることもなく旭川空港へ着陸。

チョコロ飛行機に乗る 空港ロビーの出口カウンターに係員がネコのカゴを運んでくる。途中揺れて飛び出したりしないようにかかごの側面と天井との経ぎ目がガムテープで補強してあり、更に全体が大きなネットで包んである。ふだんあまり鳴かないおとなしいネコであるが不安そうに大声でこヤーニヤー叫んでいた。ネコ人生初めての飛行機である。

 いよいよキャンピングカーで出発である。チョコは家を出てからずっと飲まず食わず出さずの状態で、やっと飯・水・トイレ付きの大きめのカゴに移されたわけだがきょろきょろしてそれどころではないようだ。

 旭川周辺は北海道には珍しく水田が広がる。道ばたの出店でトマトとメロンを買う。売り子のおばさんは破裂したメロンを「味は変わらないよ。」といって植引きしてくれた。この辺は「でんすけすいか」という青黒い大きな楕円体のスイカが特産らしい。味見したいところだがまるごとでは大きすぎる。

 層雲峡を通って温根湯、留辺蘂、北見も通過、町の周辺はけっこう道路が込んでいて時間がかかる。美幌周辺はテンサイの産地、東藻琴は酪農の村である。最近国内産のナチュラルチーズがいろいろ生産されるようになったようだが東藻琴産のカマンベールもスーパーで見たことがある。

 そして道東にたどりつき小清水、斜里を通過、今夜の目的地ウトロである。北海道を走り続けた一日であった。

キャンピングカーのチョコロ 夕食は荒磯料理「熊の家」という店で食べる。目の前にそびえる知床グランドホテルの一階に同じ名前のお店が入っているのは出店
したのであろうか。こちらは小じんまりしたカウンターとテーブル5卓くらいのお店である。焼魚定食1200円はホッケの干物を焼いたもので、身が引き締まっていておいしい。きんきの焼いたもの3500円はその大きさにびっくり、たっぶり油ののった柔らかい身であった。

 チョコは小さい頃からドライ・キャットフードばかり食べてきたせいか魚にも肉にも見向さもしない。食事の用意をしていても人間の食べ物にはまったく無関心で盗み食い無用のネコである。(ノリとカツオブシだけ大好物であるが)北海道の味覚には無縁である。

 さて夜もふけて知床のカムイワッカの滝の方へ向かう道を走っていると向こうからキタキツネが登場、車をとめて観察する。あちらも窓の前に立ち止まり物欲しそうな顔である。餌づいてしまった観光ギツネであった。チョコはしらずに夢の中。外は雨がぽつぽつと降ってきた。       

 道の途中で泊まることにする。どこでも泊まれるのがキャンピングカーの強みである。


次のページ

北海道旅行トップページに戻る

国内旅行のメニューに戻る

トップに戻る