シナボン我が家に来るなんか変な家に来ちゃったなあ

止まらない猫

 旅先でチョコロという14年以上飼った猫を亡くして半年近くたった。やっぱり猫が欲しいと、あちこちのペットショップを見て歩いたり、家に来る野良猫をブッチーと名付けて餌をあげたりしていたが、9月5日、近所の島忠ホームズのペット売り場で見かけた、ブラウンタビーのアメリカンショートヘアに惹かれて飼うことにした。

 生まれは2007年4月22日、チョコロが客死して一ヶ月後くらいにこの世にやってきた子だ。

 夕方お店から連れて帰ってきて、チョコロのお古のカゴでしばらく休ませて、夕食後に出してみると、家中を猛スピードで走り回る。7ヶ月我が家に来たチョコロは、若い頃はもちろんスリムで、猫じゃらしなどで遊んでやるとのってきたものの、それ以外の時は最初からおとなしかった。しかしシナボンはともかく止まらない。くたびれたら休むだろうと思っていたが、ハアハア荒い息をしながらひたすら興奮して走り回っているので、捕まえて檻に入れて寝かせることにした。
つまんない
 2日め以降、おびえたような動作は見られなくなったものの、やはり檻から出すとひたすら走り回るので、しばらく出しては捕まえて檻の中で休憩させるという繰り返した。おまけにこの猫はよくかみつく。だっこは嫌いではないのだが、そのうちにお世話係の顔をじっと見上げたかと思うと、顔にかみついてくる。手や足にもかみついてくる。電気のコードにもかみつくので、猫の忌避剤を買ってきて、コードや二人の足にもスプレーする。

病気、病気、病気

 我が家に来て3日目、前日からお腹が緩いなと思っていたら下痢をした。それもうんちが糸をひいてしたたる下痢である。どっちみち購入してから一週間以内に、契約するお医者さんに健康診断に行くことになっていたので、翌日つれていく。生後間もない5月30日に獣医さんで健康チェックした記録をペットショップでもらったのだが、耳疥癬があったようだ。今回も耳がかなり汚れている、ただしダニなどはいないとのことだった。そしておしりチェックするとなんとコクシジウムという寄生虫のシストがでてきた。先生に顕微鏡のモニターでみせていただくと、まるで単細胞の緑藻のようなものが、はっきり写った。とりあえず駆虫剤をもらう。

 数日後、カゴから出すと、どうも元気ない。外にでても多少走り回った後うずくまってしまう。再びお医者さんに連れて行くと熱があるという。そういえば、さかんにくしゃみをしているが風邪だろうか。それとも緊張が続きたせいだろうか。抗生物質を処方してもらう。

 あいかわらずコクシジウムのシストもある。そして更に顕微鏡モニター画面をクラミドモナスのようなものが泳いでいく。ジアルジアという、別の寄生虫だそうだ。まずはコクシジウム用の薬を続けて、次の週からジアルジアの薬もスタートする。チョコロは薬を飲ませるのに苦労して、大好きだったビスカルというおやつにふりかけたり、ヨーグルトに混ぜていたのだけど、シナボンの場合は捕まえてむんずと口をあけて、奥に押し込むのみ。時々口の横から出してしまうことがあるが、けっこう素直に飲み込んでくれる。そのあとはご褒美にチーズを少し。

 そうこうするうちに目やにが多くなって目をしょぼしょぼさせるようになった。左目が特にひどい。やっとジアルジアもいなくなったのだが、今度は点眼薬である。3週間くらい続けただろうか。最初もらった薬ではなかなか治らないので、抗ウィルス性の別の目薬ももらう。猫に目薬を落とすには、捕まえてなるべく目の後ろの方から点眼瓶を持ってきてポタンと落とすのだが、何回かやるうちに何が起こるかわかって、目薬が落ちる直前に頭をぐいっと動かしてしまうようになる。目をつぶらせて頭をしっかり押さえて、お世話係も二人がかりで大変である。まあ目の前に大きな水滴が迫ってくる恐怖はわかるけどね。

 目がやっと治ってきても相変わらず黒っぽい耳あかが出る。お医者さんで耳掃除をしてもらうと、気持ちよさそうに足を動かして、看護師さんの腕をかいている。点耳薬をもらって家でもやっているのだが、これも何回かやると、点耳薬が落ちる直前に耳を背けるので、二人がかりで頭を押さえつけ格闘である。やっと薬を入れても、頭を振るとかなりの量が飛んでいって仕舞う。この点耳薬はぎんなんのような臭いがするのだが、お世話係は二人とも薬を浴びる。

 耳はなかなか治らないので、お医者さん通いが続いている間に再び目やにが発生。目はウィルス性で症状が治まってもウィルスは体に残るので、体調が思わしくないと再発してしまうらしい。そのうえ何とノミまで見つかった。マンション猫なのにいったいどこでノミなんてつけてきたのだろう。蚤取り剤もつけてもらう。

 耳垢はあいかわらずだが、そういう体質なのかもしれない。11月になってやっと一段落したが、最初の熱を出したとき以外は、元気いっぱいではある。来たときに1.7kgだった体重は10月末で2.9kgと順調に育っている。

 最初から継続している病気に関しては、ペットショップの保証で治療費負担なしなのだが、いったん中断した目の治療や、後から見つかったノミ駆除などは自費負担なので、お金のかかる猫である。