猫を海外(オーストラリア)へつれていく

注射したり、検査されたり、薬を飲まされたり、さんざんだったなあ海外に猫を連れて行くための手続きや、検疫期間は国によって異なります。また帰国するときの検疫も、どこから帰ってくるかによって異なりますので、出国については各国の大使館のWEBを調べてみる、あるいは問い合わせて見てください。入国については、農林水産省の動物検疫所のWEBに書いてあります。

ここでは、チョコロが2006年6月19日にオーストラリアに向けて出発するまで、および日本に帰国する(だいぶ先ですが)までのわれわれの経験を書いていきたいと思います。

オーストラリアに連れて行くためには、過去6ヶ月以上日本で飼育されていて、出発日から数えて30日前までは、検疫期間でないこと(つまり他国から帰国してすぐは連れて行けないわけですね。世界を股にかけた猫のジェット族はだめということです)生後12週以上であること、妊娠6週以下または離乳していること。あと祖先をたどって5世代前までにベンガルキャットがいてはいけません。(普通そんなものいない)

2006年10月23日、オーストラリア検疫の申請方法が変更されました。現在は入国の最低5ヶ月前に申請する必要があり、検疫所の待ち時間が5ヶ月以上かかるそうです。ご注意を。(入国の許可と検疫所の申し込みは別物です。許可が下りたらすぐ検疫所に申し込んでください)
今後も変わる可能性があるので、AQISのサイトをチェックしてください。


Trovanのマイクロチップまずは、マイクロチップを装着します。(チョコロの場合は2006年4月3日)

マイクロチップはいらない国もあるようですが、、オーストラリアに入国する際の検疫を申し込みに、マイクロチップナンバーが必要ですので、早めに入れたほうがいいです。Avid, Trovan, DestronまたはISOと互換性のあるリーダーで読めるマイクロチップを入れます。

どっちみち、日本に帰国するとき、マイクロチップを装着していないと、成田で180日の係留が必要となってしまいます。なにも問題がなければ、帰国するときは成田で12時間以内の係留で再入国できます。(オーストラリアは狂犬病が家畜やペット動物にはないため)

マイクロチップとは、直径約2mm、長さ約1cmの小さなICチップで、それぞれに異なるID番号がついているので、体内に装着して、リーダーという機械で読み取ると、個体を識別することができます。首の付け根のあたりに、太い注射針のようなもので装着します。

普通は麻酔しないそうですが、太くて痛そうでかわいそうなので、チョコロの場合は麻酔をしました。右はtrovanのマイクロチップと挿入用の使い捨て針


次にオーストラリアの検疫所の許可を申請します。(チョコロの場合は2006年4月17日にFAXで送り、許可は4月19日付けででて、20日にFAXが送られてきました。)

これはAQISのサイトから用紙をダウンロードして記入して、FAXで送ればいいのですが、マイクロチップのナンバーが必要なので、チップを入れたあとでないとできません。

どこの検疫所で30日の検疫期間を過ごすかを書く欄もあります。検疫所は、シドニー郊外のイースタンクリーク、メルボルンのスポッツウッド、パースのバイフォードの3か所しかありません。猫の気持ちを考えると、飛行時間は短い方がいいので、ケアンズあたりにあると嬉しいんですけどね。

また検疫期間中の費用などの請求書が郵送されてくるため、オーストラリアでの住所を書く必要があり、私書箱では受け付けてもらえません。オーストラリアに知人がいる人や、勤務先などで郵便を受け取ってもらえるのなら一番いいのですが、30日の検疫期間中に滞在する(飼い主が)宿で郵便を受け取ってもらえるのなら、宿の住所でかまいません。

到着の日付は、この時点では「6月の中旬」で、受け取ってもらえましたが、検疫許可が出て、検疫許可ナンバーをもらわないと、30日間滞在する検疫所の予約が取れません。検疫所はけっこう込んでいるので、予約を早くとらないと、旅行の予定そのものを変更しなくてはなりません。

ということで、どのみち予定は早めにたてた方がいいです。

検疫許可の有効期間は、許可の日から6ヶ月(現在は9ヶ月)です。

なお、この申し込みににかかる料金は、猫一匹280ドル、同時に連れて行く場合二匹目からは一匹につき60ドルです。

申請書はFAXで送りました。4−5日でFAXで許可と共に、 VETERINARY CERTIFICATEといって、獣医さんに書いてもらう書類のA票とB票が届きます。A票は基本的に、かかりつけのお医者さんにかいてもらうもの。B票は、成田空港など、出国空港の検疫所で書きます。


予防注射をする チョコロは2006年4月7日
オーストラリアに行く一年前から14日前までの間にFeline enteritistとFeloine rhinotracheitisとFeline calicivirusの予防注射を、かかりつけの獣医さんにしてもらう必要があり、注射した日時を獣医さんにA票に書いてもらいます。

また、予防接種の証明書を獣医さんにもらって、当日成田で他の書類といっしょに提出しました。


検疫所の宿泊予約をする 気がつかずにいたので、5月22日にメールを送って、無事予約できましたが、結構混んでいるので、輸入許可が出たらすぐ手配した方がいいです。

検疫許可がでても、検疫所の予約が自動的にできているわけではありません。泊まる予定の検疫所(チョコロの場合はシドニー郊外のイースタンクリーク検疫所)に宿泊を予約しなければなりません。これはEmail easterncreek.aqs@aqis.gov.auでできます。

予約するに当たっては、到着の日時、フライトンナンバー、航空貨物番号、輸入許可番号が必要です。

なお、向こうの空港に到着すると、検疫所の担当者が迎えに来て、飼い主には会うことなくそのまま検疫所に引き取られていきますので、必ずしも飼い主と同じ便に乗る必要はありません。検疫所は日曜日や祭日は猫を受け取りませんので、到着が日曜日にならないようにしてください。また平日でも到着が午後以降だと、下の票のように時間外料金がかかりますので、4時までにつくような便にした方がいいでしょう。また成田での手続きを航空貨物会社に頼むことになりますが、出発日が日曜日だとこれまた時間外料金がかかりますので、出発も日曜日にならないようにしたほうがいいでしょう。

なお、このとき、向こうの検疫所になにか連絡事項があれば(たとえば、健康上餌の制限があるとか)このとき伝えます。チョコロはシニア猫用の餌にしてくれるように頼みました。

料金(オーストラリアドル)
検疫所入所の手続き 10ドル
獣医による診察 71ドル
獣医さんの書類用紙AとBの審査 27ドル
向こうの空港から検疫所までの輸送費 95ドル(ただし到着が午後4時以降8時までの間だと、120ドルかかります)
検疫所の料金 一日13.55ドル(餌や世話代を含む、ただし2頭以上持ち込む場合は、2頭目からは10.55ドル))

その他に

期間中に猫が出産すると 300ドル(子猫は6週間目までは無料)
そのほか獣医の治療が必要になったら 飼い主が実費を負担します

かかりつけの獣医さんに最終チェック チョコロは2006年6月17日
出発の96時間以内に、A票の予防注射以外の部分、すなわち内部寄生虫と外部寄生虫の駆除をしてもらい、その処置の証明と健康診断を受け、かかりつけの獣医さんからサインをもらいます。


オーストラリアへ猫を送るときは航空貨物になります。手荷物扱いで持ち込むことはできないので、航空貨物を扱う会社にお願いすることになります。(オーストラリアから日本へ帰るときは、手荷物扱いでもいいようです。)チョコロを担当してくれたJTBカーゴは、飛行機の予約(もちろん猫のです)、成田の検疫所で猫の最終点検をしてB票を書いてもらってA票の裏書きをして、封印をして送るところまですべてやってくれましたので、われわれは当日空港近くで、輸入許可書、完成したA票、白紙のB票、予防接種の証明書を猫と共に引き渡しただけです。

猫は国際航空輸送協会認定のかごに入れ、トイレと水と餌を少し入れました。

同じ飛行機の乗る場合は、飛行機に乗る前や降りたあと、荷物の積み下ろし作業を見ていると、貨物室に積み込まれて、あちらの空港でおろされてお迎えの車に乗るところが見られます。

貨物輸送にかかった費用は

車による輸送 21000円
通関料 4200円
ターミナルチャージ 8800円
動物検疫関係費用 12000円
取扱料 20000円
PPD WEIGHT CHARGE 47453円
FUEL SURCHARGE 888円
SECURITY SURCHARGE 600円
AWB作成料 200円

これに更に消費税がかかり、11万7201円でした。このうち、PPD WEIGHT CHARGEやFUEL SURCHARGEは、猫とゲージを合わせた重さに対する航空貨物の運賃になります。太った猫だと、その分高くつくことになりますが、実際には重さに対してゲージがしめる大きさが大きいため、あわててダイエットをしても関係ありません。狭いゲージに押し込めれば、安くつくと言うことです。

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